忘れてしまったのかい
 俺たちは突然この世に現れ 去って行かねばならない旅人じゃないか
 ならば生存競争に憂き身をついやすのもしばし忘れ
 この世の眺めを楽しめばいいじゃないか

 野に咲く花にそれぞれの命の美しさを知り
 はるかな月にかなわぬ夢をえがく
 それが風雅の道 日本の伝統

 いきり立つ軍人の心をなだめ 非暴力で世界を動かす
 言の葉の道へようこそ


源氏物語

 いつの世でもどこの国でも物語は人の心を酔わす
 或るは麻薬のように新作を欲しがり貪り読んでは戸口を閉ざす
 或るは眉をひそめその害をとうとうと語っては溜息を漏らす
 時が経って駄作が記憶から消え去った時幾多の批判に耐えて残ったものはついに国の宝となる

 

 西洋にはホメロスやベーオウルフがあり
 わが国にはここに源氏物語
 ジャパンクールの曙光の輝き、いといみじ(まじやばい)

 

 これを仏陀の教えとするも良し
 耽美な妄想を膨らますも良し
 読む人によって千変万化する物語の不思議ここに蘇れ


連歌

 そう、言葉は生き物。

 一つの言葉も取り様によってはいくつもの意味をも。

 和歌の上句と下句は千変万化の錦ともなればその言葉の魔法を弄び競おう。

 力を入れずしてあめつちを動かす、平和な日本の誇るべき文学。

 それは連歌。これも何かの縁か。


俳諧

 光をやわらげ塵にまざり、

 千歳不易も今のはやり。

 ちまたの俗語もここにきわまり、

 雅語にも負けぬ風流の高み。

 それが俳諧、絶えない笑い、読んでみなさい。


その他

謝霊運



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論文集

正岡子規論

日本語と押韻

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